2009-01-01から1年間の記事一覧

めでたい

ナマコのようなものが ゆらゆらと宙を 飛行して 雨が生き物の余白に 艶めかしいざわめきを ゆらゆらと与え 光る地面から 蛙が生まれては 死んでゆき つぎはぎだらけの フランケンシュタインは 「めでたい」と笑う

無題

時計の針に磔刑にされた友の涙を どのような器で受け止めれば 清潔な朝が来るのかと 鼠たちの集会の騒ぎに耳をすませば 本質的に誤解な訳で 殿様も簡単に正しさを選択する 内部に発生したヌルヌルの記憶の道を ゆっくりと ゆっくりと 歩けば もう見えるよ 絶…

速度太郎の冒険 第3部予告!

今年夏くらいに発表します。お楽しみに! ★ある日 ヤモリ丼を注文して30分が経っていた ラクダと遊んだ思い出が妙に懐かしく 様々なことに心ときめかせるのが生命の神秘さ 馬鹿だねえ、存在に保険なんかかけたりしてさ それにしても 思い出って あっという間…

火の猿

火の猿を起こして 洞窟の内部を 歩き回る 探検家の僕は 箒で自分の鼻を 掃かれる度に 時間の無造作な要求を ごくりと飲み干して 笑ってしまう 恐竜のような空が ゴウゴウと風神を呼べば 「王様はどこですか?」 「生き方研究所」で学んだ占い師のトカゲの 詩…

現代詩は「営業」から始まる!

現代詩手帖 2009年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 思潮社発売日: 2009/03/28メディア: 雑誌 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見るたとえば、街角で「2000年代の中で印象に残っていることは?」と聞かれたら、若者の回答には俗に「サブカルチャー…

mixiのコメントに書いたことの断片

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)作者: 萩原朔太郎,三好達治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/12/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 38回この商品を含むブログ (47件) を見るやはり朔太郎こそ、詩の起源であり、「戦後詩」はむしろ詩の退化の過程であった…

人生はいつも遠回り

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)作者: 寺山修司出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/06/25メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 100回この商品を含むブログ (159件) を見る深夜に創作に励みながら、「真剣 中年しゃべり場」を見ている。仕事やコミュニケ…

冷凍人間の夢

私たちはひそかに 脳からはみだしていた 私たちは虫であり 虫に出来ることは ただ孤独に耐えるだけだった 生存とは何か? もう何も考えることが出来ない 巨大な吊橋の真ん中で 人間のかたちをした恐怖が 踊っている 揺れている 生存とは何か? 巨大な不安が …

最新作「白の記述」(予告編)

白紙の街の歌作者: 松本秀文出版社/メーカー: 思潮社発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る随分と、時間が経ちましたがおかげさまで詩集『白紙の街の歌』(思潮社)を無事刊行することが出来ました。概ね…