2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

最上階の絶望

最上階で 猿がうどんをすする うどんは犬がゆでている わたしが会社を早退したことが原因で どこかで誰かが苦しんで死にました 他人のことなので特に問題ありません 靴紐で死ねるような気がしたので 靴屋には近づかなくなった母が ことばの湯に脳を沈めて 「…

肩を研ぐ

肩を研いでいる 風に添付されたファイルに くだらないことばの集積 いやな顔をした子供が 鳥の笑顔を画用紙に描く 体重をうしなった神様たちが 虚数の階段を降りてゆく 「彼らに名前などない」

sanagi

無力が好きです 無力が大好きです 首輪の皮膚への負荷が 夏よりも俺たちには厳し過ぎる 恐怖の先端に精液を濁して 浮世絵の内部で泳ぐ金魚は 渇く 步を進める度に妖怪は騒ぐ あたらしい音楽が皮膚へ 浸入する経過を記録する係が豚であるとは 世界はかき氷で…

朝になるまでに

俺たちには 朝になるまでに死ぬ理由があった だが 朝はまだ来ていない あなたの歯で あたまから裂かれるからだの一部 死の香りを嗅ぐ快楽の精たち 庭園は実に醜悪な冗談のかたまりだ 誰かがそこでつぶれたまま 光の改行が遅延なくおこなわれている 時代の放…