名無しの首

首に出会ったのはいつだろう
正確なことはすべて燃やした
首は無口でまるで死んでいた
金属のような瞳と腐乱した唇
事実は不幸な音しか奏でない
生きようとする意志の廃墟で
履歴書には「首」とだけ書く
役に立たないものを生かすと
世界が変化する気持ちがする
黙ったまま私の中に首がいる